わたしね。
知ってたよ。
キミたちのこと。
だって、切なかったもん、見てるだけで。
視線が絡むと、いっつも、ふ、と光がきつくなるの。
まるで、ぴん、と張り詰めた糸みたいに。
2人とも。
ヘンだよね。おかしいよね。
視線が柔らかくなるのが普通だよね。
なのに。
キミたちは、いっつも、視線がきつくなってた。
きつくて、でも、脆くて、儚くて。
だから、いつか、きっと。
こんなことになるんじゃないかな、って。
そんな風に、思ってた。
2人とも、不器用なんだもん。
コントロール、とか、バランスを保つ、とか。
そんなことできるような人じゃなかったね。
…ホント、不器用なんだからなあ、もう。
ねえ、スコール。
あなたは、わたしを、愛してくれたね。
サイファーのことを想うのとは別のところで、あなたは、確かにわたしを愛してくれてたね。
最初は、手のかかる、遊び半分なクライアント、ぐらいにしか思ってなかったんでしょ?
そうだよね、あなたと比べたら、わたしはほんとに子供じみてたよね。
初めて会ったとき、一緒に踊ったね。
ダンスは、わたしのほうがうまかったのかな。
……あのね。
あのね、スコール。
わかってたよ、わたし。
あなたが、わたしに、僅かな罪悪感を感じてたこと。
バカだなあ。すごい、マジメなトコがあったもんね、スコール。
いいのに。
わたしは、知ってて、わかってて。
それでも。
それでも、あなたのことが好きだったんだよ?
サイファーのことを想わずにいられないあなたのことが、好きだったの。
気になんてしなくて、よかったのに。
あの、宇宙で。
あなたは、命の危険を顧みずに、わたしを、助けてくれた。
封印されようとしていたわたしに、そんな必要はないって、言ってくれた。
この世界に留まることを、許してくれた。
それだけで、よかったの。
それだけで、わたしは、生きていけるの。
あなたが、わたしを愛してくれた。
それだけで、生きていけるんだよ。
だから、もう、余計なことは考えなくていいよ。
少なくとも、わたしのことは、気にしないでいいよ。
大丈夫だから。
ねえ?スコール…。
to Dawn Valley 3. -His freinds 1.-