「雪だ…。」
海に落ちる雪。
真っ暗闇の中、闇色の水が打ち寄せる音と、真っ白な雪が音もなく舞い落ちる姿。
そして。
新しい年を告げる鐘の音。
いろいろなことがあった、と思う。
1年前と今とでは、自分を取り巻く状況は随分変わった。
自分も変わった。
この新しい年が、どうか誰にとっても幸せな年となるように。
そう、祈れるようになった自分がいる。
1年前は何も祈らなかった。何を祈ればいいのかわからなかった。
この1年で、愛されていることを知った。
「スコール!パーティー、始めちゃうよーっ!?」
自分のいるバルコニーに向かって、大きく手を振って呼び掛ける声。
その周囲には、仲間たちの姿。
「…今行く。」
無愛想な返答は変わらない。変われない。自分でももどかしいけれど。
それでも。
この1年で、自分は愛されていると知ったから。
これからの1年で、自分も、彼らを愛しているのだと、伝えられるよう、努力してみようと思う。
まずは、パーティが始まったらこう言おう。
大切な彼らの新しい年が、幸せであるように。
「I wish you a happy new year.」