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捕らぬ狸の

11月のプチオンリーは、1人で参加なので、開場と共に買い物に走り、30分で済ませて後はずっと自スペースにいようかな、なんて計画を立てたりしてるんですが。
…それ以前に原稿が…。
まだだ。まだ終わらんよ…!
と、赤い彗星の科白を言いたくなるカンジです(苦笑)
もうホントに魔女っ子書いてる場合じゃない気がするの…。
でも、原稿に比べると魔女っ子の方が進みが早いの(笑)
あー、ちょっとホントに今週勝負だ~
 
 
 
続き
 
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 フリオニールの世界で、彼が経験した戦い。その道中、雪原の洞窟で倒した敵の最後の足掻きで発動した大岩の仕掛け。それを食い止め、フリオニール達を逃がし、彼らに娘を頼むと言い残して死んだ仲間がいた。
「ヨーゼフっていう、頑固そうな男で、義理堅くて、娘のネリーのことを可愛がってて…」
フリオニールの言葉に力はない。当時のことを思い出せばそれも当然だ。
「まるっきり、あの時の光景と一緒で…。ヘンだな。岩が迫ってるのに、ヨーゼフの姿が見えた気がしたんだ」
そうしたら、迫ってくるはずの岩が止まって見えたのだとフリオニールは言った。
「自分にもっと力があればって、後悔してるの?」
「そのときのこと吹っ切れてないのか?」
オニオンとバッツが問う。仲間の死、というものに、彼らも思うところがあるのだろう。
「そうじゃない。そうじゃないんだ。ヨーゼフだけじゃなくて、旅の途中で俺達を先に行かせる為に死んだ奴らは他にもいて…。でも、あいつらに託された想いは果たした。それに、だからこそ俺は夢を持った」
「のばらの咲く世界?」
「ああ。あいつらがどんなに崇高な想いでその身を犠牲にしたんだとしても、ネリーのように哀しみを抱えていかなきゃいけない人がいる。そんなことが2度と起きないように、平和な世界を作りたい」
 それは、フリオニールが仲間の犠牲という事実を受け止め乗り越えたからこそ持てた夢。
「でも…、あ、ゴメン、気を悪くしないで欲しいんだけど…」
オニオンが言い難そうに前置きする。
「構わないさ、言ってくれ」
「うん。…でも、ここでそうやって幻を見たっていうのはさ、フリオの中にまだ何か蟠りがあるってことなんじゃないかと思うんだ」
「その蟠りを消したら、それが本当に乗り越えた事になる、ってことか」
「推測だけど、ね」
オニオンが珍しく自信なさそうに言った。2年経っても生意気そうな言動は相変わらずだが、決して無神経ではないオニオンは、フリオニールの心の傷とも言うべき過去の出来事に言及することに躊躇いがあるのだろう。
「蟠り…」
フリオニールは考え込む。自身では乗り越えたと思っていた仲間の犠牲。
彼らに託された想いを受け止め、そしてその念願を果たして世界は平和になった。そして2度とあんなことが繰り返されないよう、生き残った人々が笑顔で日々を送れるよう、今もフリオニールは努力している。きっと、ヨーゼフも、それだけではない、あの旅の途中で散っていった、スコット王子やシドや、ミンウにリチャードたちも、今の世界を見て、そしてフリオニールの夢を知って、喜んでいるはずだ。
なのに、一体どんな蟠りがあるというのだろう。自身の心のことなのに、フリオニールには見当がつかない。
「言いたいこととか、ないのか?」
バッツがそう助言をくれる。
「言いたいこと…」
「…そういう時ってさ、大抵突然だったりするだろ?そんなことになるなんて考えてもなくて、だけど突然仲間がいなくなる」
そう言うバッツにも、同じような経験があるのかもしれない、とフリオニールは思った。バッツの眼に真剣で哀惜に満ちた色が浮かんでいたからだ。
 彼らに言いたいこと。それはなんだろう。
皇帝を倒し、世界は平和になったこと?
彼らが愛した人達は皆、元気に暮らしていること?
そうじゃない。そんなことはきっと言わなくとも彼らには伝わっているはずだ。
そんなことではなくて、彼らに言えなくて、けれど1番言いたかったことは…。
「…ばかやろう」
無意識に、ポロリと言葉が出た。オニオンとバッツが訝しげにフリオニールを見る。
「格好つけて、後は頼むと勝手に言いたいことだけ言って、後に残された者がどんな想いをするのか解ってないわけじゃないだろうに、都合よく無視して。ふざけるなっ!」
段々とトーンの上がっていく声は、最後には怒鳴り声に近かった。普段そこまで声を荒げることをしないフリオニールには珍しいと言っていい。
「俺は、許さないからなっ!」
 そうだ、こう言いたかった。勿論、彼らの犠牲で今の自分があるのは承知していて、感謝もしている。彼らの犠牲がなくては、皇帝を倒すことは為し得なかった。そう、自分を納得させていたけれど。
「自分の1番大切な人達を哀しませたお前たちを、英雄だなんて、思ってやらんからな!」
 本当は、打倒皇帝の立役者と人々が賞賛してくれた自分などよりも、彼らの方が遥かに英雄と呼ぶに相応しいと思っているが、フリオニールは敢えてそう言った。
 その時、フリオニールの前に出現したクリスタルが眩い光を放った。
 
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必死に短く纏めようとしているカンジがアリアリと…(苦笑)